この記事の内容
- 転職エージェントに登録すべき理由について
この記事の信頼性
- 東京大学大学院で博士号を取得
- 博士研究員としてアカデミアで研究職に従事
- 製薬企業に転職して新薬開発に従事
これから転職活動を始めたいのですが、転職エージェントには登録した方がいいのでしょうか?
はい、登録して積極的に利用することをおすすめします。
そうすることで、専任のキャリアアドバイザーが転職活動を親身にサポートしてくれるため、転職の成功率を上げることができます。
転職活動を検討している人の多くは、日常業務や家事・育児などの私生活に忙しく、転職活動に使える時間が限れらています。
現状に不満や不安を抱えて、焦りからろくに準備をしないまま転職活動を始めてしまったり、せっかく転職できても失敗したと感じている人も多いのではないでしょうか。
実際に、転職者の中で「転職に成功した」と感じている人は3割以下と言われています。
転職の成功率を上げるために有効な方法の一つは、転職エージェントを利用することです。
そもそも「転職エージェント」についてあまりよく分かっていない方は、次の記事も参考にしてみてください。
この記事では、転職エージェントに登録すべき理由を4つ紹介します。
転職エージェントに登録すべき4つの理由
- 非公開求人を得ることができる
- 企業の内部情報や業界の動向を知ることができる
- キャリアアドバイザーが転職活動を全面的にサポートしてくれる
- 全てのサービスを無料で利用することができる
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
非公開求人を得ることができる
非公開求人とは
非公開求人とは、企業のホームページや求人サイト等、インターネット上に公開していない求人のことです。
一般的には、転職エージェントに登録することによって閲覧可能となります。
求人情報を数多く取り扱う総合型転職エージェントでも、その大半は非公開求人です。
そもそも、なぜ企業は求人を非公開にして採用活動を行いたいのでしょうか?
理由は主に2つあります。
非公開理由①:採用活動の効率化
大手企業のように就職希望者が多い場合、求人を公開すると応募者が殺到する可能性があります。
そうなると、人事担当者が多数の応募書類を審査しなければならないため、企業側にとっては非効率的な採用活動になります。
非公開求人は転職エージェントに登録することによって初めて閲覧することができるため、本気で転職活動をしている求職者の中から、自社に興味を持ってくれる人を厳選することができます。
非公開理由②:事業計画等の企業情報の漏洩防止
募集する求人の職種や条件によっては、その企業が今後どのような事業を行いたいかを部外者に知られてしまう可能性があります。
特に、即戦力となるような人材を採用したい場合、必然的にライバルとなるような同業他社から募集することになります。
求人内容から機密事項がバレてしまう可能性は低いと思いますが、事業計画やプロジェクト等はライバルに秘密にしたいと考えるのは当然のことと言えます。
それが専門性の高い職種に関することだったらなおさらです。
例えば、ある製薬企業の応募資格に「バイオインフォマティクスの知識・実務経験」と書いてあったら、その企業は今後データサイエンスを駆使して研究開発に力を入れるのでは?ということが容易に推察できます。
「企業の情報をなるべく出さない」ようにしつつ、「求めている最適な人材を確保する」というのは、人事部の腕の見せ所ですね。
企業の内部情報や業界の動向を知ることができる
転職エージェントは企業と直接的な強い繋がりを持っているため、様々な内部情報を持っていることがあります。
日常的に業界分析や企業分析を行った上で、その企業が求めている人材を把握しているわけですから、企業の現状や今後の事業展開も知りえます。
転職エージェントは、それらの情報を複数の企業から収集し、分析することによって、業界全体の動向も熟知しています。
つまり、キャリアアドバイザーと良好な関係を築くことで、以下のような様々な内部情報を聞き出せる可能性があります。
- 求人を募集する本当の目的:
会社として注力したい事業なのか、単なる欠員補充なのか、だとしたらなぜ欠員が生じたのか。 - 職場の雰囲気や人間関係:
パワハラが横行してないか、職場環境によるストレスが生じないか、風通しの良い上下関係か。 - 勤務実態:
サービス残業させられないか、プライベートの時間は確保できそうか、休みを取りやすい雰囲気か。 - 経営計画:
人件費削減やリストラを計画してないか、会社として生き残っていけそうか。
これらを知ることで、転職先して問題ないかどうか等、転職後の働き方に関して、より鮮明にイメージできるようになります。
キャリアアドバイザーが転職活動を全面的にサポートしてくれる
転職エージェントに登録すべ最大の理由と言えますが、専属のキャリアアドバイザーが転職活動とその後のアフターフォローを含め、全面的にサポートしてくれます。
全体的な流れとしては、このような感じです。
- 事前準備(自己分析、適格適正、企業・業界研究、情報収集)
書類添付用の証明写真も、できればデジタルデータで準備しておきましょう。 - 転職エージェントへの登録
Gmailなどのメールアドレスを準備して、転職エージェントに登録しましょう。
登録後、専属候補のキャリアアドバイザーから連絡が来るので、面談の日程調整を行います。 - 面談
キャリアアドバイザーとウェブ会議や電話等で面談します。
まずはお互いの自己紹介から。
事前にヒアリングシートが準備されている場合もありますが、様々な質問に答えていきます。
これまでの経歴、転職の理由や時期、希望する業界・企業・職種・待遇は、スムーズに回答できるように準備しておきましょう。
面談終了後、求人が次々に紹介されていきます。 - 必要書類の作成
職務経歴書など、応募先に提出する書類を作成します。
キャリアアドバイザーとメール等でやり取りしながら、内容をブラッシュアップしていきます。 - 求人応募
応募したい企業が決まったら、キャリアアドバイザーを通じて応募します。
その企業に対して希望する条件(給与や入社希望時期など)があれば、この時点ではっきりと伝えておきましょう。
※情報の後出しや不自然な修正は、先方の不信感を招いてしまいます。 - 書類選考
書類選考が通ったら、必ず面接選考に進みましょう。
選考に時間と労力をかける分、ここでの途中辞退はキャリアアドバイザーや先方の企業に迷惑をかけることになります。
つまり、応募の時点で、面接に臨む気持ちのある企業に絞り込むことが大切です。
(面接選考後の辞退は全く問題ありません) - 面接選考
面接は平日の昼間に行われることがほとんどです。
有給休暇をうまく活用しながら日程調整しましょう。
面接選考後は、先方からの電話連絡にいつでも対応できるようにしておきましょう。 - 内定
内定が得られて入社を決意したら、入社承諾書を提出します。
入社承諾書の提出後は辞退することができないため、速やかに現在の勤務先での退職手続きを進めます。 - 退職願の提出
勤務先に退職の意向を伝え、「退職願」を提出します。
「雇用は、解約申入の後2週間を経過したるに因りて終了する」ことが民法627条1項にて定められていますが、多くの企業では、退職願を提出するタイミングは就業規則によって定められているので(例えば、退職の1ヶ月前)、必ず事前に確認して従うようにしましょう。
ただし、引き継ぎに必要な期間を予め見積もっておき、早めに申し出る必要がないか検討することも大切です(立つ鳥跡を濁さず)。 - 入社
転職活動の全体の流れについては、以下の記事も参考にしてみてください。
転職エージェントは、書類の書き方から面接のアドバイス、退職に関する相談まで全て対応してくれます。
特に重要な点としては、求職者側にとってはなかなかやりづらい企業との様々な交渉も、企業との間に入って行ってくれます。
満足のいく転職にできるよう、自分の情報や想いをキャリアアドバイザーにしっかりと伝えることが大切です。
全てのサービスを無料で利用することができる
転職エージェントでは、全てのサービスを無料で利用することができます。
なぜ求職者が無料で利用できるかというと、転職エージェントは企業からの求人の募集依頼を受けて人材を紹介することで、企業から次のような報酬を得ているからです。
- 広告費:サイトに求人情報を掲載する費用が主に月額固定費として支払われます。
- 紹介料:採用に至った場合の成功報酬が支払われます。
このように転職エージェントは無料サービスというわけではなく、ちゃんと企業からの報酬を得ています。
求職者側にとっては「無料だから…」と言って遠慮しがちですが、その必要は全くないので、受けられるサービスは最大限活用しましょう。
まとめ
転職エージェントを利用する最大のメリットは「キャリアアドバイザー」と二人三脚で転職活動を進められるところです。
ただ登録しておしまいではなく、キャリアアドバイザーと緊密なコミュニケーションをとりながら、使えるサービスを最大限有効活用しましょう。
この記事のまとめ
- 非公開求人は、企業の情報流出を最小限にしつつ採用活動を効率化するためのものであり、転職活エージェントに登録することで閲覧可能となる。
- 転職エージェントは、企業の内部情報や業界の動向を熟知しており、転職活動の方向性を決めたり転職後の働き方をイメージするのに役立つ。
- キャリアアドバイザーは、事前準備から入社に至るまでの転職活動全体をサポートしてくれる。
- 転職エージェントは企業からの報酬を得ているため、求職者が無料で利用することができる。