転職を考えているのですが、転職活動はどのように進めて行ったらいいのでしょうか?
まずは全体の流れを把握することが大切です。
在職者の方は特に、転職活動に使える時間が限られています。
スケジュール管理しながら効率よく転職活動をしていきましょう。
「転職を考えているものの、何から始めたらいいかよく分かならい」という方も多いのではないでしょうか。
日常業務や家事・育児といった目の前のことに追われ、転職について調べる時間や実際の転職活動に使える時間が限れらているからだと思います。
そうすることで、限られた時間の中で効率よく転職活動を進めることができるようになります。
この記事では、事前準備から入社に至るまでの転職活動の全体の流れについて、解説していきます。
事前準備
事前準備でやるべきこと!
- 転職活動に要する期間を見積もる。
- 家族の理解を得る。
- 転職活動に必要なものを準備する。
- 自己分析・適職診断をし、転職の方向性を決める。
- 企業や業界について研究し、転職の成功率や満足度を高める。
それぞれについて、解説します。
転職活動に要する期間を見積もる
転職活動に要する期間は、一般的には半年間程度、短くても3ヶ月間と言われています。
しかしこれはあくまでも目安の期間であり、市況(有効求人倍率など)や個人の状況(年齢やスキルなどの適性)によっても変わります。
また、在職中の場合は、退職に要する期間も計算に入れなくてはいけません。
入社希望時期から逆算して、余裕をもって(できれば半年~1年間かかることを想定して)転職活動を開始することが大切です。
家族の理解を得る
転職することによって、勤務地・勤務形態・年収・退職金が変わることがほとんどなため、配偶者やお子さんのライフスタイルに影響を与える可能性が高いです。
「転職が成功してから伝える」というのでは、もし反対された場合は、対応が後手に回ってしまいます。
また、転職先の企業に内定承諾書を提出した後、「やっぱり辞めます」と入社を辞退することは極めてマナー違反であり、多大な迷惑をかけることになります。
家族には転職活動を始める前に相談しておくことが、気持ちよく活動を始めるために大切です。
家族に相談する際は、家族計画とよく照らし合わせながら「転職する理由・目的」や「転職後に与える影響(特に経済面)」についても話しておく方が良いでしょう。
転職活動に必要なものを準備する
転職活動では、「事前に必要なもの」や「書類選考で必要なもの」など、ステージで必要なものが異なります。
その時になって慌てないように、「どの段階で何か必要なのか」を事前に把握しておきましょう。
転職活動の前に準備しておくもの
- 個人のメールアドレス(Gmail などでOK)
- 携帯電話・スマートフォン(電話連絡をとれるもの)
- パソコン(メールのやり取りや、応募書類の作成)
- スケジュール管理用のアプリやツール(管理に問題がなければ手帳で十分)
応募する際に必要なもの
- 履歴書または職務経歴書
- 証明写真(デジタルデータで持っておくと便利)
- 印鑑
- 封筒(紙の書類の提出に必要なため、メールなどで済む場合は不要)
- 送付状
面接時に必要なもの
- 社会人として適切な服装(※)
- 革靴
- 時計
- 鞄
(※)多くの場合、対面による面接選考が実施されることになります。「人は見た目が9割」と言われるように、キャリア採用を目指す場合、可能であれば学生っぽいリクルートスーツや使い古されたスーツは避けた方が良いでしょう。
内定~退職・入社時に必要なもの
- 内定通知書・労働条件通知書
- 退職願・退職届
- 健康保険被保険者証
- 年金手帳
- 離職票
- 雇用保険被保険者証
- 源泉徴収票
- 健康診断書
自己分析・適職診断をして、転職の方向性を決める
自己分析や適職診断は、履歴書や職務経歴書に書くための材料と思われがちですが、それらの結果を客観的に考察することで、転職活動の方向性が明確に定まることがあります。
例えば、「自分が本当にやりたい仕事や向いている仕事は何なのか」、「職場環境に求めていることは何なのか」、「仕事を通じて何を得たいのか」など、新しい発見があるかもしれません。
したいこと(want)、できること(can)、すべきこと(must)に分けて、一度整理してみましょう!
これらを事前に行うことで、「自分が企業に求めているもの」と「企業が採用者に求めているもの」とのミスマッチを防ぐことができ、転職後の後悔を避けることができるようになります。
「科学的な職業の選び方に興味がある」という方におすすめの書籍
企業や業界について研究し、転職の成功率と満足度を高める
自己分析が終わったら、目的の企業や業界についても研究します。
そうすることで、求職者と企業とのマッチングをより高めることに繋がります。
企業分析の方法は、目的や場合に応じて様々なフレームワークがあるので、多角的に行ってみてください。
経理の知識がある方は、企業経営として安泰かどうかの参考までに、企業のウェブサイトやEDINETから閲覧できる有価証券報告書や決算公告などを見てみるのも良いでしょう。
求人情報の検索
求人情報を調べる方法は、いくつかあります。
以下の方法で、希望する職種、業種、勤務地、給与などの条件から、求人を探してみましょう。
求人情報の調べ方!
- 転職エージェントや転職サイトに登録して探す。
- 企業のウェブサイトの採用情報から探す。
- ハローワークで探す。
転職エージェントや転職サイトに登録して探す
圧倒的な求人情報を持っているのが、転職エージェントや転職サイトになります。
※「転職エージェント」や「転職サイト」については、次の記事を参考にしてください。
初めて転職活動される方であれば、まず転職エージェントのサポートを得るのも良いと思います。
理系の皆さんにおすすめしたいのは、非公開求人を多く持つ転職エージェントを積極的に利用することです。
企業のウェブサイトの採用情報から探す
行きたい企業が決まっている場合は、その企業のウェブサイトにある採用情報ページから、「キャリア採用(中途採用)」を募集していないか調べます。
キャリア採用を募集していない場合、採用担当者(多くの場合、採用情報ページに記載)に直接または転職エージェント(後述)経由で、採用計画について企業に直接問い合わせてみるのも良いと思います。
また、コネクション(友人・知人・大学OB/OGなど)を使って企業の関係者に辿り着ける場合は、そこからアプローチしてみるのもアリです。
ハローワークで探す
地元企業への転職を希望している方には、一度ハローワークで求人を探されても良いと思います。
分からないことがあったら窓口のスタッフに聞くことができるというのも、ハローワークを利用するメリットになります。
ただし、専門職や重要ポジションの求人情報はあまり多くないので、サブとして利用するぐらいでいいのではないでしょうか。
応募書類の作成
応募先が決まったら、まずは書類選考に必要な応募書類の作成を行います。
ほぼ全ての企業では、履歴書または職務経歴書が求められます(転職の場合、職務経歴書のみのケースが多いです)。
職務経歴書は、書類選考の命運を握る重要な書類です。
相手にとって読みやすいように、要点を絞って簡潔に書くとともに、あなたの魅力を最大限アピールするように書きましょう。
私の場合、「一緒に働いていることをイメージしてもらう」ことを意識して書いています。
「履歴書・職務経歴書の書き方を学びたい!」という方におすすめの書籍
書類選考
必要書類の準備が終わったら、いよいよ書類選考に応募します。
提出方法については、紙媒体の場合は郵送ですが、転職エージェントに登録している場合は電子データで済む場合も多いです。
結果が出るまで数週間かかることもありますが、吉報を祈りながら待ちましょう。
待っている間、面接審査の対策を練ったり、書類選考に落ちた時の対応を考えておきましょう。
面接選考
書類選考に通ったら、面接選考へと進みます。
キャリア採用の場合、新卒採用のように集団面接が行われるケースは少なく、「1 vs 複数」で実施され、少なくとも二次面接まであるのが一般的です。
- 一次面接:プロジェクトリーダーを中心とした上司と人事部による面接。職場見学の機会が得られることもあります。
- 二次(最終)面接:社長など役員による面接。
面接審査の結果を待っている間、内定通知書が届いたらいつでも退職手続きができるよう、準備をしておきましょう。
内定・退職
面接選考に通ったら、内定となります。
内定通知書が届いたら、入社を承諾(内定承諾書を提出)する前に必ず労働条件について再確認しておきましょう。
入社後に「(面接時など)前もって聞いていた話と違う」ということにならないよう、注意が必要です。
入社を決めたら、退職手続きに入ります。
勤務先の就業規則に従って、上司に退職の意向を伝え、「退職願」を提出します。
「雇用は、解約申入の後2週間を経過したるに因りて終了する」ことが民法627条1項にて定められていますが、多くの企業では、退職願を提出するタイミングは就業規則によって定められているので(例えば、退職の1ヶ月前)、必ず事前に確認して従うようにしましょう。
一般的に、就業規則で民法と異なる規定が定められている場合、就業規則が優先されることになります。
まとめ
転職活動にはそれなりの時間と労力を要することが、お分かりいただけたでしょうか。
新卒時の就活との大きな違いは、「現職の退職」についても同時並行で考えないといけないことです。
現在の職場や家族にはできるだけ迷惑をかけず、新しい環境で気持ちよくスタートするためにも、しっかりと準備をして転職活動を進めましょう。