この記事の内容
- 「薬剤師」という社会的立場を活かした収入アップの方法を3つ紹介します
この記事の信頼性
- 東京大学大学院で博士号を取得
- 製薬企業の研究職として、新薬開発に従事
- 給与収入以外に、年間1,500万円以上の副収入あり(2023年実績)
- 医師・薬剤師など、社会的属性の高いサラリーマンの年収アップを実現
薬剤師の年収を上げるにはどうしたらいいんでしょうか?
薬剤師は活躍できる職場が多い分、年収を上げるチャンスにも恵まれています!
この記事では、薬剤師の年収を上げる3つの方法について解説していきます。
薬剤師の年収を上げる3つの方法
- スキルを磨く
- 転職する
- 副業する
「薬剤師」の詳細記事はこちら
スキルを磨く
薬剤師にとって、年収アップのスタンダードな方法は、薬剤師としての価値を高めることです。
薬剤師としての経験と実績を積み、スキルを磨くことで、様々な認定を受けることができます。
「〇〇薬剤師」という肩書が得られることによって、他の薬剤師との差別化になり、キャリア形成に繋がることが期待できます。
ここでは、「管理薬剤師」、「認定薬剤師」および「専門薬剤師」について紹介します。
管理薬剤師
管理薬剤師とは
薬機法(医薬品医療機器等法)によって、医薬品を取り扱う薬局または製造拠点では、管理薬剤師を必ず1名は配置させることが義務付けられています。
つまり、管理薬剤師はそれらの現場における監督・責任者としての役割を担うことになります。
管理薬剤師の仕事内容
理薬剤師に課せられる主な仕事内容は多岐に渡り、管理薬剤師にしかできない業務もあります。
また、仕事内容は職場によっても異なり、それゆえ法的な責任も異なります。
以下に、管理薬剤師の仕事内容をまとめます。
- 薬剤・医薬品の管理業務
- 適正な使用のための情報提供業務
- 薬局開設者への意見申述の義務
- 副作用情報の収集・報告などの業務
- 薬剤師への指導・教育
管理薬剤師の年収
管理薬剤師の給料は、一般薬剤師と大きく異なります(下表)。
一般薬剤師 | 管理薬剤師 | |
---|---|---|
平均年齢 | 37.0歳 | 50.2歳 |
平均月収 | 36万8,365円 | 50万3,863円 |
管理薬剤師と一般薬剤師とでは平均年齢が違うというのもありますが、「管理薬剤師手当」がついたりと、平均月収が10万円以上差があります。
これに「賞与」が加わると、両者の年収の差がいかに大きいかということが、お分かりいただけるかと思います。
このように、管理薬剤師になることで、100万円以上の年収アップも夢ではありません。
ただし、管理薬剤師としての年収アップになる一方、管理薬剤師は副業ができないため注意が必要です(後述)。
管理薬剤師になる方法
管理薬剤師になるための要件としては、厚労省のガイドラインによって「原則として、薬局における5年以上の実務経験があり、中立的かつ公共性のある団体(公益社団法人薬剤師認定制度認証機構など)の認証を受けた認定制度の認定薬剤師であること」が推奨されています。
参考(外部リンク)
管理薬剤師になるための具体的な方法としては、次の2つです。
- 昇進:
同一の職場で経験と実績を積むことによって、内部昇進することによって管理薬剤師になることができます。 - 転職:
職場内での競争が激しいなど、内部昇進が難しい場合は転職を視野に入れましょう。
ただし、前述の通り、管理薬剤師になるには5年以上の実務経験が求められるため、応募先の募集条件をよく確認しましょう。
前職で既に管理薬剤師としての実績があれば、転職によって大きくステップアップできる可能性も高いです。
認定薬剤師
認定薬剤師とは
認定薬剤師は、「認定薬剤師制度」で定められた所定の単位を取得することで、最新の知識・技術を有していると認められた薬剤師のことです。
つまり、認定薬剤師であるということは、日々アップデートされる最新の医薬品の知識を習得し、時代に即した活躍ができる薬剤師であることの証明になります。
2022年時点で、様々な認定団体が20種類以上の認定薬剤師制度を設けており、種類によって研修内容や認定期間が異なります。
従って、目的の認定薬剤師になるための方法については、個別に確認しておくことが大切です。
社会的ニーズが特に高く、年収アップが期待できる認定薬剤師を5つ紹介します。
- 在宅療養支援認定薬剤師|日本在宅薬学会
- 妊婦・授乳婦薬物療法認定薬剤師|日本病院薬剤師会
- がん薬物療法認定薬剤師|日本病院薬剤師会
- プライマリ・ケア認定薬剤師|日本プライマリ・ケア連合学会
- 漢方薬・生薬認定薬剤師|日本薬剤師研修センター/日本生薬学会
認定薬剤師の年収
認定薬剤師になったからといってすぐに給料が上がるわけではありませんが、職場によっては昇給に考慮されたり、資格手当の対象になる可能性があります。
例えば、「がん薬物療法認定薬剤師」が将来的な「がん専門薬剤師」の取得にも繋がるように、認定薬剤師の種類によっては、「専門薬剤師」へとキャリアアップできる可能性があります。
また、認定薬剤師や専門薬剤師が評価される職場に転職することで、年収が上がることも期待できます。
専門薬剤師
専門薬剤師とは
専門薬剤師は、特定の分野において高度な知識・技術を有し、日本病院薬剤師会等の団体から認定を受けた薬剤師のことです。
臨床現場において、医療スタッフと連携して患者のケアにあたったり、専門分野での知識を活かして指導者や研究者として活躍することもできます。
専門分野としては、がん、栄養、感染、禁煙、腎臓病など多岐にわたります。
このように、専門薬剤師になることで、最先端の知識と技術を有する薬のスペシャリストとして、活躍の場を広げることが可能となります。
専門薬剤師になることで年収アップはもちろん、医療への貢献等を通して働きがいを実感することができます。
専門薬剤師になる方法
専門薬剤師になるには、まずはその分野での「認定薬剤師」であることが必須であり、その上で、各団体が定めている専門薬剤師になるための条件を満たすことが求められます。
例えば、「がん専門薬剤師」の場合は、以下の要件を全て満たしている必要があります。
- 日本国の薬剤師免許を有し、薬剤師として優れた人格と見識を備えていること。
- 薬剤師としての実務経験を5年以上有すること。
- 日本医療薬学会の会員であること。
- 日本医療薬学会の認定薬剤師、日本病院薬剤師会生涯研修履修認定薬剤師、薬剤師認定制度認証機構により認証された生涯研修認定制度による認定薬剤師あるいは日本臨床薬理学会認定薬剤師であること。
- 日本医療薬学会が認定するがん専門薬剤師研修施設において、同学会の定めた研修ガイドラインに従って、がん薬物療法に関する5年以上の研修歴を有すること。
- 日本医療薬学会が認定するがん領域の講習会を50単位以上履修したこと。
- がん患者への薬学的介入実績50症例(3臓器・領域以上の癌種)を提出すること。
- 日本医療薬学会が実施するがん専門薬剤師認定試験に合格すること。
参考(外部リンク)
一般社団法人日本医療薬学会がん専門薬剤師認定制度規程(PDF)|日本医療薬学会
転職する
「スキルを磨く」ことは、昇進や資格手当等の収入アップに繋がるだけでなく、転職のチャンスが増えることにもなります。
転職に興味が出たら、無料で相談できる転職エージェントを利用しましょう。
そうすることで、効率良く転職活動を進めることができます。
副業する
薬剤師に限らず、年収を上げる手段として最近ますます重要視されているのが副業です。
薬剤師であれば、薬剤師資格を活かした副業や、薬剤師という社会的に高い属性を活かした副業をすることで、大きな収入源とすることが期待できます。
ただし、「管理薬剤師」や「公務員薬剤師」など、職種によっては兼業や副業が原則認められていないケースもあるため、注意しましょう。
薬剤師資格を活かした副業
近年、ライフワークバランスが重要視されて「働き方改革」が進められています。
それによって多様な働き方が認められるようになり、副業に取り組む人が増えています。
この社会的な流れは薬剤師にとっても例外ではなく、本業とは別に学校薬剤師等の薬剤師資格を活かした副業に取り組まれる方もいます。
執筆活動が好きな方は、薬学の知識を一般市民に届けるためのブログを書いて、Google AdSenseやアフィリエイト等の広告によって収益化を図るのもおすすめです。
「薬剤師」という肩書が、読者に説得力を与えるための権威性になります。
ブログ・アフィリエイトは、パソコンとネット環境、数万円の初期投資費用があれば誰でも気軽に始めることができます。
また、薬剤師にも「派遣」という働き方があります。
派遣薬剤師の時給は、パート薬剤師よりも高いケースが多く、時給が3,000円以上の求人も出ていたりします。
派遣薬剤師は、副業として適しているのはもちろんですが、特に女性の場合は、出産や育児等のライフステージの変化に合わせた働き方ができるというのもメリットです。
社会的属性を活かした副業
「薬剤師」は安定的に高収入が見込めますので、他の職業と比べても高属性であり、社会的信用度が高いと言えます。
薬剤師という高い属性を活かした副業としておすすめなのが、不動産投資です。
実際に、私の知り合いの薬剤師の方が、不動産投資によって大きく資産を増やされています。
また私自身、副業で不動産投資等に取り組んでおり、年間で1,500万円以上の副収入があります。
「投資」ということは、副業とは少し意味合いが違ってきますよね?
というような疑問を持たれるかもしれませんが、不動産投資というより、「不動産賃貸業」と呼ぶ方が実態に合っています。
不動産投資は ”事業性が高い” ので、中途半端な気持ちで取り組むことはオススメしません。
私の不動産投資の取り組みについては、裏サイトである「ウラキャリ」でも発信しているので是非覗いてみてください。
例えば、こんな記事を書いています
ウラキャリでは、本業でのキャリア形成「+α」を目指す人のために、副業や起業の方法について書いています。
投資で成功するためには、正しい知識を身につけることが必要不可欠です。
不動産業者の不適切な営業に惑わされないよう、しっかりと勉強しましょう。
まとめ
この記事のまとめ
- 管理薬剤師、認定薬剤師または専門薬剤師など、薬剤師としてのスキルを磨くことで年収アップが期待できる。
- 転職は年収アップの近道であり、スキルを磨くことで転職のチャンスに恵まれる可能性が高くなる。
- 薬剤師という「資格」と「社会的属性」を活かすことで、堅実な副業に取り組むことができる。
特におすすめの副業は、「派遣薬剤師」、「ブログ・アフィリエイト」及び「不動産投資」である。